クローン×人肉食 ぶっ飛んだ世界観のミステリ『人間の顔は食べづらい』
白井智之『人間の顔は食べづらい』を読み終わった
タイトルとあらすじがなかなかブッ飛んでいて、つい買ってしまった。
あらすじ(公式)
「お客さんに届くのは『首なし死体』ってわけ」。
安全な食料の確保のため、“食用クローン人間”が育てられている日本。
クローン施設で働く和志は、育てた人間の首を切り落として発送する業務に就いていた。
ある日、首なしで出荷したはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が起きて―。
異形の世界で展開される、ロジカルな推理劇の行方は!?横溝賞史上最大の“問題作”、禁断の文庫化!
あらすじ(私からの補足)
人肉食が始まった経緯はこんな感じ (物語序盤のネタバレ)
- あらゆる動物に感染する凶悪なウイルスが出現した!感染すると死ぬ!
- 早期に"人間用"のワクチンを作ることができたため、被害は最小限で収まった。
- だが動物を食べると再び感染してしまう。
- 政府「お肉食べちゃダメ!」
- 人間「お肉たべたい……。安全なお肉……人間?」
- 政府「クローンなら食べていいよ。合法化するから。」
- クローン企業「ご発注いただければ、首なし死体送りますよ!」
倫理的な理由から、食べて良いのは 自分自身の クローンのみ
あとクローンはとても高い(サラリーマンの年収くらい)ため、人肉食は裕福層の嗜好品である。
物語の展開
そういった世界観の中、2つの事件が発生する
- ある政治家の不審死
- 納品された死体とともに、あるはずのない生首が届けられる
主人公 “和志” と “ゐのり” は、これらの事件に巻き込まれていく
感想(多少ネタバレ)
なかなかおもしろかった。
クローンや生首の使い方には関心したなあ。
あと 解決編の途中で探偵が急死する という まったく新しいパターン が採用されており、貴重なケースに出会えます。
パンクでエキセントリックなミステリを読んでみたい方はぜひ。
- 作者: 白井智之
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/08/25
- メディア: 文庫
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